啓蒙主義(フランス)

ヴォルテール(1694〜1778)
 著書は99冊にもなり、表現力と説得力に富んでいた。
 「宇宙の真理を探る者こそ尊敬に値する」科学がいかに近代社会に重要であるかを説いた。
 無神論者ではなかったが、各国の宗教についても公平にその価値を認めた。ブルジョアジーであったが、当時のフランス社会、教会や僧侶のあり方を非難した。
 大自然に対して人間はきわめて小さいものであり、どんなに栄華をむさぼっても、人間の運命ははかないものである。


デゥニ・ディドロ(1713〜1784)
ジャン・バプティスト・ダランベール(1717〜1783)
 人間の知識のあらゆる領域を合理的思考様式で関係づけて、それまでの人々の考え方を革新するような書物『百科全書』を作った。
 宗教と哲学の時代は、もはや科学の時代に道をゆずった。合理的な理性と科学の力で不合理なものを打ち破ろうとした。


ジャン・ジャック・ルソー(1712〜1778)
 科学や芸術は人間の道徳や幸福に害をなす。「自然へかえれ」人間は生まれつき善いものであるのに、文明の進歩が人間のあいだに不平等や闘争を生み、人間を奴隷状態にしてしまった。
『社会契約論』人間は生まれつき自由であるのに、いたるところで鎖に繋がれている。
 心のうちに起こってくる自然な信仰の感情を重んじ、国王神権説を否定し、民主的な政治形態を主張。
 人道の教えがただ理性に基づいているというのは間違っている。人類愛こそ人間の正義の根源。