(ウソっぱち?)視力回復塾参考資料:2003年4月2日放送NHK「ためしてガッテン!」、某大学教授講義中の余談、,リフラクティブアイクリニック,実体験
   ここでは主に近視を扱います。


 目の悪くならない人はいません。人は生まれた時から老化が始まります。矯正した良い視力のままで、あなたは5p先の指の指紋が見えますか?見えんでしょう(見えたあなたは近視なだけ。矯正が足りない)。それは老化したんですよ。赤ちゃんの時は見えてたんです。指を近づけた時に見せるあのくりくりした寄り目、オートで結像してるんですよ。その子には指紋まではっきり見えていることでしょう。
 耳だってそうです。子供の頃は、音声が届いてなくてもテレビがついてたのはわかったでしょう?ブーンてな感じで。(かなり旧式のテレビではそれがありませんでした。年配の方は体験がないでしょうね)しかし今聞こえますか?忙しくてそんなこと気を付けなかった?いやいやそんなことはない。消音にして画面を見てなければ、大抵の人は特に何も感じないんじゃないですか。老化です。
 そしていい年のあなたは、そんな遠くない未来、老眼になり、難聴になります。個人差はありますし、その前に死ねば問題ないんですが、人間は永久機関じゃないんで、それは必至です。


 さて、それではあなたが考えるいい視力とはいくらですか?1.0ならいい?1.5ならいい?
少なくとも、このタイトルに惹かれて来た人にはそんな視力は無理だね。医者の仮性近視勧告を無視して努力しなかったあなたは、もう子供の頃の視力は取り戻せないよ。そう考えたほうがいい。リスクなしに益を得れるほど世の中上手くできてないんですよ。


 まあ戯言はほっといて、本題に入りましょう。

 手始めに日常生活の中での、目を休める方法からやりますか。

 遠くを見ましょう。目標を決め、じっと遠くを見てください。どれくらい遠くかって言うと、目標が見える(確認できる)くらいです。とくにはっきりと見えてなくてもいいです。ただ、なにも見えないのに遠くを見ても効果は薄いです。いくら気持ちがよくても、何もない青空は効果乏しいでしょう(雲とか星ならよろしいかと)。
 目というのは、ボーっとしてるときや、目を瞑っている時はオートで1bくらい先に焦点を合わせるからです。目標がないと1bくらい先しか遠くを見てないことになります。あなたは目の前の壁を見て、ピントをそのさらに向こうに持っていけますか?(ピントがズラした状態で、壁と目との間で手を前後させ、どの場所でも手にピントが合わなかったら、あなたの視線は壁の後ろに向けられてます)できないことはないでしょう。しかし随分ホネだと思います(昔流行った、2つの並んだ絵をボーっと見ると立体図に見えるという、3Dなんたらってのがあったでしょう。あれが平素でできる人は、そんなに難しいことでもありませんがね)。だから目標を凝視しましょう。それが簡単です。しかし、くれぐれもぼーっと見てはだめです。

 ではなんで、遠くを見、しかも(はっきり見えなくても)凝視しなきゃいけないのかというと、
 遠くを見るということは、毛様体を休ませるということだからです。毛様体とはピントを調節する水晶体(目のレンズ)の厚さを変える、筋肉のような器官です。毛様体は近くを見るときは緊張して水晶体を縮ませ(厚くして)、遠くを見るときは弛緩して水晶体を伸ばし(薄く)します。毛様体が休まるのは弛緩してるとき、つまり遠くを見てるときです。緊張しっぱなし(一定近距離を見っぱなし)だと、肩こりのように毛様体も固まってしまい、正常に動いてくれません(これが近視の一因です)。ですから、気分的には寝て休みたいところですが、できるだけ遠くを見ましょう。

 しかしこれ、簡単なようで眠い時はキツイんですよね。私のような怠け者はこれでも億劫です。暇があってもつい、寝てしまうか遊んでしまいます。
 日常生活の中で〜というのは、ウラを返せば普段日常生活の中ではやってないから提唱するわけで、普通に生きてたらやらないんですよ。人間本質的に怠け者ですから。気が付いた時でいいですから、目を労わってやりましょう。死ぬまで使うんですから。(だったらこんな長々と書くなって気もしますが。

 また、副次作用(どっちが副次でも構わないが)として、遠くを見ることで気分転換にもなります。近場ばっか見てないで、窓を開けて新鮮な空気でも吸ってみましょう(大気がキレイならね)。適度な休息は能率を上げますよ。


 注意しときますが、以上のことをやったからって目がよくなるわけではありません。休めるだけです。悪化するのを防ぐか緩めるかって程度と思ってください。


 さて,視力回復トレーニングしましょうか.
 視力測定器みたいのものを置きます.なければカレンダーでもいいんじゃないですかね.それっぽいものを置きます.そして,手には本でも持ちます.字が書いてあるモノがいいと思います.象形文字とかなんでも.
 まずカレンダーの字がぎりぎり見える場所に座ります.次に手許の本を,奥のカレンダーとかぶるように目の前に構えます.大体目から1、20a離したところです.そしてその文字をじっと見つめます.読まないで一つの文字を見つめます.30秒くらい.
 これぐらいかな,と思ったら奥のカレンダーを見ます.これも一点をじっと凝らして見つめます.よく見ます.数十秒見ます.そしてもう一度手許の本を目の前に持ってきて,文字に焦点を合わせて見ます.
 これを繰り返して気持ち見えてきたな,と思ったら,少し下がります.カレンダーから離れて,また見えるか見えないかぎりぎりのところでこの動作を繰り返します.
 手許を見て,遠くを見る,という動作を1セットとすると,目安は一日3,4セット.5分くらいやればいいんじゃないかとおもいます.
 とりあえずこれを2週間,毎日続けてみましょう.

 次回,衝撃の結果に.


 さて,真面目に視力トレーニングやってた人は何ヶ月経ったでしょうか?やってた人はいませんよね?上のようなトレーニングなんて,視力低下を憂いて,改善を志す人なら大抵知ってそうなことです.
 今回は予告通り衝撃の事実をお伝えします.
 テレビ「ためしてガッテン」での被験者の2週間後の回復具合です.目立った回復が見られたのは10人中2人
 このよく聞く毛様体筋トレーニングは,誰にでも有効な手だてではないのです!
 なぜか?

 その前に,ちょっと遡りますが,「遠くを見る」というトレーニング(?)の無効性からお話ししましょう.
 "遠くを見る"ことが有効な人の目は,ひどい近視の人とは違います.遠くを見る時も毛様体筋を緊張させている彼らは,それをほぐせばいいわけだから,まだ望みがあるのです.しかし,ひどい近視の人は,遠くを見る時,毛様体筋がリラックスした状態なのに近視のままなのです.
 どういうことでしょうか,答えは簡単,長時間の緊張によって水晶体が硬化しているのです.つまりレンズに弾力が無くなっているわけですね.これでは毛様体筋がリラックスしたところで,肝心のレンズは元に戻りません.そしてこれは毛様体筋をほぐすトレーニングの無効性も意味しています.
 ついでに追い打ちをかけるような場合も想定します.眼球が楕円形に伸びている場合です.こうなっていては,毛様体筋もレンズも正常でも,網膜で結像しません.必ずぼやけてしまいます.

 絶望的!あなたがどんな近視かはわかりませんが,とりあえず2週間真面目に毛様体筋のトレーニングをやって効果ない人は,大抵のトレーニングが無効です.

 もはや回復の道はないのでしょうか?「視力回復塾」と銘打って始めたこのコーナーですが.絶望と虚無感に包まれつつ廃校してしまうのか?次回最終回.


 さて,前回言ったように視力トレーニングは無駄でした.「ガッテン」のゲスト達はこの結論に躊躇わず合点してましたが,一体どうゆうつもりだったのでしょう.
 しかしそこで時計を見ると,あと1テーマくらいはできそうな時間が残ってます.期待してもいいのかな?

 で,視力回復の最終手段は何かというと,手術です.
 ご存じの方も多いのではないかと思います.角膜を削ってレーザーで矯正カーブを作るあれです.手術といっても割と手軽です.
 値段は片目20万両目40万程度,手術時間も15分ないし30分と,お手頃.
 しかし,これにも問題はあります.手術を受けられるのは,ある程度の年齢(20歳くらい)以上の人だけです.目は,ある程度の年齢に達すると視力の低下がストップします.その状態以後でないと,手術してもまた視力低下したら損ですよね.
 それにもちろんリスクもあります.術後に乱視のような症状がでたり,やりすぎで遠視になったり,
 また,近視が治った後になって,遠視や乱視が発覚する場合も少なくない程度にあるそうです.
 まあこの辺は医師が術前にきちんと説明してくれるはずなんで,詳しくは言いませんけど,そのリスクの説明を聞いて,三分の一程度の人が手術を思いとどまるそうです.詳しいことを知りたいならココとか.
 ですが,やっぱり手軽さと,視力へのコンプレックスからやりたいって人はやるのがいいかと.

 で,この結論を聞き終わって,「ガッテン」のゲスト達は躊躇わず合点してましたが,一体どうゆうつもりだったのでしょう.

 やっと終われる…もとい,惜しまれつつ最終回です.非難の前にさようなら.