「夢見る刻(とき)」

  カチカチカチカチ…

  部屋を満たす

  針の調べが遠ざかる


  瞼閉じて

  いよいよ五感を失いぬれば

  暗夜去り   一面の色
             顕れる。

  地平の下より
  森羅万象  励起して、
  天の鐘
  自然の法を轟かす。

  統べること  難く

  易々なこと 
  この上なし


  苦楽のこと
  想うることと  違えども

  留まることなし


  総てのこと
  永くあり  短くして終わる