「トラベル」


 なんとなく仰向けになって
 空を見上げると
 ぼくの心は
 果てしない宇宙に落ちていった。


 どこまでも青い空を見据えて
 なにもかも空っぽになって
 雲の端を突き抜けていく


 灰色の地平は青色にぼやけ
 色あせた星月は
 その輝きを取り戻していく


 虹色の空を通り
 ぼくは地球―からだ―を離れると
 星々は誘い
 無限のそらが口を空ける。


 誘われるままに向うぼくは
 まっ暗な宇宙に
 溶けていった。