「電磁者パラドックス」(6/14)
本当はこれで通したかった。
やっぱり全然ダメ・・?


V者:みんなー!聞いてくれー。西の森で新しい電磁精神がみつかったぞー!
 R本気者、端者、法句者、尾者の4匹が集まっている広場に、V者が息を切らして駆け寄ってくる。
法句者:なんですと!?
端者:本当!?
V者:ああ、ハァハァ…、今語呂者達が見張りをしてくれてる。
尾者:それなら今すぐ子供達に連絡を。
R本気者:だぎゃー。
端者:でもどうやって?
法句者:確かに。あちらの世界から見ていてくれないと、私達のことは伝わりませんからね。
V者:それなら、まず俺たちが行って、しっかり場所を確かめてから大輔達を呼ぼうぜ。
R本気者:そうだぎゃー。イオリ達は勉強中だぎゃー。俺たちで取っておくだぎゃー。
尾者:しかし、電磁精神は選ばれし子供達がいないと全く意味がないわ。私達だけでは石ほどの価値もないわ。
法句者:そうですよ。我々だけで行くのは無駄です。まず都さんたちを待って、それから移動しましょう。
端者:僕は見てくるくらいならいいと思うけど。西の森はここから遠くないし。
V者:よーし!3対2で新電磁精神発掘に決定!
4匹:発掘?
V者:そう。新しい電磁精神はとっても固い岩の中にあるんだぜ。
R本気者:俺の出番だぎゃー。
法句者:うーん。わかりにくい場所かもしれませんし、確かめておいた方がいいかもしれませんよ、尾者。
尾者:ハァ、仕方ない。
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V者:ほら、あそこだ。おーい!語呂者ー!
語呂者:あ、皆さんおそろいで。これがそのデジメンタル岩です。
 語呂者の指した岩は、電磁者達の優に5倍はあろうかという大岩。
端者:大きーい。
 端者が岩の上を旋回する。
尾者:でもどうしてこの中に電磁精神があるってわかったの?電磁Weiβもないのに。
V者:そんなこといいじゃないか。この中にデジメンタルがあることは確かなんだ。R本気者!
R本気者:ぎゃー!
カセットテープ:電磁精神↑!
R本気者:R本気者アーマー進化ー
Д愚者:鋼の叡智Д愚者!
ゴールドラッシュ!
ドドーン!
 Д愚者が放った角は大岩に命中。爆音と煙が辺りを満たす。
 煙が晴れた後、大岩は上部を欠いた姿で現れた。
端者:いけーД愚者。もう一回。
Д愚者:ゴールドラッシュ!
ドドーン!
Д愚者:…だめだぎゃー。中にすんごく固い石があるんだぎゃ。
尾者:ちょっと待って。あれは…ホーリーストーン!
4匹:ホーリーストーン!
法句者:黒戦灰者に破壊されてないものがこんなところに。
端者:珍論者が治したのかもしれないよ。
Д愚者:とにかくホーリーストーンには手が出せないだぎゃ。
 Д愚者がR本気者に戻った。
V者:何言ってるんだ。この中にはデジメンタルがあるんだぞ。デリーパーをやっつけれる新デジモンに進化できるかもしれないんだ。構ってられるかよ。
法句者:しかしホーリーストーンを壊せばデジタルワールドの秩序が崩れるんですよ。デリーパーにさえ痛手を負っているのに。ここはやはり子供達を待つべきです。
V者:ガイアフォース!
ぱすん。
端者:それは黒戦灰者の技だよ。
V者:ホーリーストーンを壊すときはこれと相場が決まっ…チクショー!V者頭!
ズガーン!
V者:まだまだー!V者頭!V者頭!
ズガズガズガーン!
R本気者:V者がおかしくなっただぎゃー。
 そこへ白い髭と白い眉を垂らした老人が背後から忍び寄る。
ゲナイ:ホッホッホッ。
尾者端者:ゲナイさん!
法句者R本気者:ゲナイさん?この人が?
法句者:前に見たときはもっと若い人だったような。
R本気者:ぞぎゃー。
ゲトナウ:02見ればわかるぞ。
尾者:ゲナイさん。V者が。
 V者は未だにホーリーストーンに頭突きを食らわしている。
ゲナイ:ふむ。確かにあのホーリーストーンの中には電磁精神が入っておる。V者はそのせいでおかしくなっているのじゃ。
端者:電磁精神にそんな力があるの?
getnow:これは至って特殊なデジメンタルなんじゃ。その名も「混乱の電磁精神」。
R本気者:バーサクだぎゃー。
法句者:笑っている場合ではありませんよR本気者。V者の頭が割れるかホーリーストーンが砕けるかの瀬戸際なんですぞ。
ゲナイ:ホホッ心配いらんて、もうすぐホーリーストーンが壊れる。ワシが混乱の電磁精神を使ってV者を進化させてやるわい。そしたらすぐにでもデリーパーは片付くぞ。
尾者:どういうこと?
ゲチュ:見ておれ。
端者:あ、ホーリーストーンが…。
 ガラッと崩れた裂け目から、ピンクと青の縞模様の電磁精神がのぞく。
ゲチャ:よし。電磁精神うぷ!
V者:V者アーマー進化ー!
:数多の混乱V者!
 V者。アーマー型電磁者。額のVマークは勇気の証!必殺技は全てを混沌に陥れるハ゜ルフ゜ンテ。
:って変わってないじゃん!
 V者の青肌がピンクとの縞模様に変わっている。
ゲナイ:そんなことはないぞ。しっかりアーマー化されておる。これでデリーパーを倒せる。さあ、四聖獣を助けるのだ!
:ホントだ。なんか力がみなぎってきたぞ。よーし!みんな応援ヨロシクな!
四匹:V者頑張れー。
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:あれがデリーパーの本体か。でもなんかどんどん小さくなってないか?
 そのころ人間界では聖13者が光速逆回転をしてデリーパーの急速縮退が始まっていた。そして電磁世界のデリーパーも、あと少しで数十ビットの電子配列に戻ろうとしていた。
:よーし!とどめだー!ハ゜ルフ゜ンテー!
   時間が逆戻りする。
珍論者:V者何をした?デリーパーも我々も戦闘前の状態に戻っているではないか。
:俺わかんないよー。えーい!ハ゜ルフ゜ンテー!
   天空から流星が降り注いだ。
:今だ!みんな、あと一撃でデリーパーを倒せるぞ!V者頭!
珍論者:待て。危険だ。今我々も同じ状態にある。
UuNuuooooooooo―!
 デリーパーは散り、V者は英霊になった。
 こうして双方の世界に再び平和が訪れたのであった。